空白の1日

炎天下。車の温度表示によれば摂氏35度。アスファルトの照り返しもあるのだろうが、当地では異常気象と言っていいくらいの暑さではある。今日はその炎天下の屋外でおよそ9時間。特に何をするわけでもない。ただ炎天下にいるだけの仕事。交通費は出るけれど赤字。集合時間に間に合わせるためには高速道路を利用しなくてはならない。一歩間違えば、職場に車を置いて、そこからタクシーで集合場所まで行かなければならない状況であったが、同僚の先生のご厚意で、何とかそれは免れた。この職場に異動してから、自宅と勤務地とが離れたせいで、部活動の遠征に行けば行くほど赤字になる。閑職に甘んじているとは言え、やらねばならぬ仕事はそれなりにある。とりあえず今日はその仕事には手をつけられず、炎天下でひたすらボールの行方を目で追う。これで文書の発送が1日遅れたわけだ(この業界では仕事は部署につくのではなく個人について回りがち)。この暑さだと生徒たちの熱中症も気にかけねばならない。生徒が熱中症になれば、引率教諭の責任が問われるのだそうだ。隣の学校の先生が「これはいったい何の罰ゲームだ?」とつぶやいていたけれど、金はかかるし、責任は問われるし、炎天下で9時間も拘束されるし、という状況じゃ、確かに罰ゲームだ。ハイリスク・ノーリターン。何とか無事に2時間かけて自宅に戻り、缶ビールを2本カラにしたところで、ようやく人心地がついた。